2020-01-01から1年間の記事一覧

フルトヴェングラー生誕80周年記念放送(旧東ドイツ放送局、1966年1月25日)ブルックナー交響曲第9番ニ短調(原典版)を聴いて

唸るようなオーケストラレーションに度肝を抜かれました。そして、テンポはかなりゆったりめで緊張感がみなぎる演奏だと思いました。私の感覚ではフルトヴェングラーはかなり大胆な演奏をする指揮者だと思っていましたが、これほどまで細やかで繊細なブルッ…

ベートーヴェンの悲愴ソナタ

ぼくはを30過ぎからやりはじめたんですが、ハノンばかりやっています。スケールれんしゅうもやっているにはやっているのですが、まだまだ、ピアノを歌わせて弾くことができません。やりたい曲があって、それがベートーヴェンの悲愴ソナタの第二楽章なんです…

平均率クラヴィーア曲集を嗜む

グレン・グールドのバッハは芸術のひとつの巨峰なのではないでしょうか?市立図書館でバッハの平均律クラヴィーア曲集を借りてきました。あとは大きな山と言ったら、リヒテルの演奏が幻想的でずば抜けています。指揮者で作曲家であらせられる徳岡直樹さんや…

スピノザの『エチカ』を読んで

スピノザの『エチカ』という本を読みました。前半は神について書かれており、後半に従っていくにつれて感情論のお話になっています。哲学YouTuberネオ高等遊民さんが解説動画を出してくれてたので読解に助かりました。前半の神については第一部の附録を読む…

三島由紀夫VS東大全共闘を観て

映画『三島由紀夫VS東大全共闘』を観た。お互いに敬意をはらい、揚げ足をとることなく討論が進行していった2時間であった。討論のなかで三島由紀夫がサルトルの『存在と無』に言及していたので、図書館で借りてきて挑んでいる。討論のなかで芥正彦氏が登場し…

サッカリーの『虚栄の市』

イギリス版『戦争と平和』だ。世間の荒波を中産階級の視点で実に見事に描いている。ディケンズの小説を凌駕しているといっても過言ではないであろう。筆者は登場人物を公平に描いているので登場人物すべてがこの小説の主人公だ。岩波文庫全4巻という大作だが…

モンテーニュの『エセー』をめぐる冒険

ぼくは現在、図書館で借りてきた関根秀雄訳の『随想録』(エセー)三巻を読破しようともくろんでいる。しかし、一文、一文が名言で引用がラテン文学が主なので辟易してしまう。そこで助っ人として羅針盤として保刈瑞穂先生がお書きになった『モンテーニュの…

ドストエフスキーの『作家の日記』上を読んで。

ドストエフスキーは優れた小説家でもあり、またジャーナリストでもある。この『作家の日記』はジャーナリストであるドストエフスキーの面をみせつけている。社会問題を鋭くえぐり、雑誌や新聞に投稿しまくっているありさまは現代の社会派ブロガーだと思わせ…

恋愛哲学者モーツァルト

最近、モーツァルトのオペラを聴くことがマイブームになっている。特に『フィガロの結婚』と『ドン・ジョヴァンニ』をよく聴くようにしている。村上春樹の『騎士団長殺し』のなかで『ドン・ジョヴァンニ』の騎士団長が重要な役わりをはたしている。オペラや…