マーラー交響曲第9番

マーラー交響曲第9番はとてもジューイッシュで東洋的な響きに満ち溢れている。私は魂を落ち着かせたいときにこの曲を聴くようにしている。特にバーンスタインの指揮はまるで魔法のようだ。繊細にして大胆。マーラーは楽器の特性をすみからすみまでわかっているようだ。特に第9番はホルン、ティンパニーが素晴らしい効果を発揮している。仏教の世界の涅槃を表現しているようにとらえなくもない。
 私はマーラー交響曲のなかでもこの第9番と第2番が大好きだ。第2番についてはおいおい書きこんでいくつもりだ。第9番はマーラーのなかでも「宗教について」響かせている。ある種のデモーニッシュな響きだが、マーラーの根底にあるユダヤ教が響きのなかでたちあらわれている。