ギリシア語

 『新約聖書ギリシア語文法』でコイネーギリシア語を学んでいる。この文法書を著した織田昭さんはギリシアギリシア語を学ばれた人物なので現代ギリシア語についてもかなり詳しく書かれている。ギリシア語は不可思議で難しい言語で「とっつきにくい」印象がぬぐえないが、この文法書のおかげでずいぶんと楽しく学ぶことができている。キリスト教でよく唱えられる「主の祈り」をルーズリーフに書き写し、カナを振って発音練習もかねて毎日唱えている。

 プラトンアリストテレスが生きていた時代のギリシア語は「アッティカ方言」のギリシア語といって俗に言う「古典ギリシア語」と呼ばれている。しかし、「現代ギリシア語」は新約聖書の「コイネーギリシア語」に近い。

ブルックナー交響曲第8番

 図書館で借りてきた朝比奈隆さんが指揮をしている盤でとても力強い。金管楽器の使い方が繊細になっている。大きなうねりとスケール感が魅力的な曲に仕上がっている。ブルックナーの音楽にはブルックナー開始とブルックナー休止とがありそれらが曲のアクセントになっている。ブルックナー開始とは、弦楽器のトレモロから始まることを表しており弦楽器がとろとろと音の粒たちがそろって演奏を開始することである。一方、ブルックナー休止とは、楽器全てがぴたっと休止することで場面展開を切り替える役割を果たしている。

 第一楽章では宇宙観を表すような表現と大自然を表すような表現が渾然一体となって音に現れている。

 第二楽章では教会の大伽藍を思い起こすような緻密で繊細な表現に感動させられた。特に弦楽器のトレモロの美しさは絶品である。

 第三楽章ではダイナミックに曲が展開し、弦楽器とホルンなどの金管楽器雄大に鳴り響いている。第四楽章のための助走を先取りするミュージックエスケープ(音楽が作り上げる空間)になっている。また、夕方の情景を美しく表したような曲調である。

 第四楽章ではこの曲の総決算的な意味でのフィナーレが繰り広げられている。特に金管楽器が主役的な役割を果たしている。

ブルックナーは教会のオルガニストでかつ敬虔なカトリックのクリスチャンだったので神様への畏敬の念が強かったことがブルックナー交響曲に現れている。そして、ブルックナーは同じリズムを繰り返すことが好きであったので、くどいし飽きてしまうかもしれないが、クラシックファンのあいだでは玄人好みでマニアックと評判が高い。

モンテーニュの『エセー』について

 モンテーニュはフランスのボルドーの市長を務めたことがある政治家でもあるが、『エセー』という精神の赴くままに書いたブログのような文章を書いたことで名高い。僕は学生時代「エッセイを書きたいのですけれど」と指導教官に尋ねたところ、「モンテーニュの『エセー』を読んだほうがいいよと言われました。今でもその言葉が耳の奥にへばりついて離れません。保刈瑞穂さんの研究書を読みながら、理解を深めています。

 モンテーニュは現代で言えば、「フリーランスの名ブロガー」なのかもしれません。

フルトヴェングラー生誕80周年記念放送(旧東ドイツ放送局、1966年1月25日)ブルックナー交響曲第9番ニ短調(原典版)を聴いて

 唸るようなオーケストラレーションに度肝を抜かれました。そして、テンポはかなりゆったりめで緊張感がみなぎる演奏だと思いました。私の感覚ではフルトヴェングラーはかなり大胆な演奏をする指揮者だと思っていましたが、これほどまで細やかで繊細なブルックナーの第9番は聴いたことがありませんでした。朝比奈隆さんやヴェンツァーゴ、インバルのブルックナーの第9と本格的に聴き比べたくなりました。確か、フルトヴェングラーが20歳の時のブルッックナーの第9も素晴らしいと思っていたところで、親友からフルトヴェングラー生誕80周年記念盤が出てプレゼントしたいと連絡を受け、驚きました。第二楽章の地鳴りのような響きの中に真珠の様な輝きがある序奏部を聴いたとき深い感動をおぼえました。燻銀のようなオーケストラの響きにはギリシア彫刻を彫っていく芸術的所作を垣間見ることができました。時代の重みは弦楽器の歯切れの良さと響きの重みの中に表現されていました。ブルックナーが目指したであろう宗教的美学をフルトヴェングラーは自身の生き様と照らし合わせながら指揮とオーケストラレーションで表現しているなと感じました。私はハース版のブルックナー第9番のCDをつい最近手に入れたのでその違いにもまた研究していこうと思いましたね。長くなりましたがフルトヴェングラーの演奏するブルックナーの魅力を伝えたいと思い書き込みました。もしよろしければフルトヴェングラーの演奏するブルックナーの「ここが魅力!」ということを是非コメントで教えていただけないでしょうか?お待ちしております。

ベートーヴェンの悲愴ソナタ

ぼくはを30過ぎからやりはじめたんですが、ハノンばかりやっています。スケールれんしゅうもやっているにはやっているのですが、まだまだ、ピアノを歌わせて弾くことができません。やりたい曲があって、それがベートーヴェンの悲愴ソナタの第二楽章なんです。ハノンによる修行?を一通り終える前に通過儀礼的に取り組んでいきたいですね。

平均率クラヴィーア曲集を嗜む

グレン・グールドのバッハは芸術のひとつの巨峰なのではないでしょうか?市立図書館でバッハの平均律クラヴィーア曲集を借りてきました。あとは大きな山と言ったら、リヒテルの演奏が幻想的でずば抜けています。指揮者で作曲家であらせられる徳岡直樹さんや小説家の百田尚樹さんはグルダの平均率クラヴィーア曲集をご推薦されています。ピアノをハノンからやっているぼくとしてはいつか挑戦していきたい曲集ですね。グレン・グールドは透明感があって大好きですね。

スピノザの『エチカ』を読んで

スピノザの『エチカ』という本を読みました。前半は神について書かれており、後半に従っていくにつれて感情論のお話になっています。哲学YouTuberネオ高等遊民さんが解説動画を出してくれてたので読解に助かりました。前半の神については第一部の附録を読むといいと解説してくださったのでその通りに読んだら、めちゃくちゃ分かり易かったです。数学の証明問題みたいに公理があったり定義に従って進んでいくので初めはとっつきにくかったですが、何度も何度も繰り返し精読していくうちに身に応える哲学書だなと痛感しました。