フルトヴェングラー生誕80周年記念放送(旧東ドイツ放送局、1966年1月25日)ブルックナー交響曲第9番ニ短調(原典版)を聴いて

 唸るようなオーケストラレーションに度肝を抜かれました。そして、テンポはかなりゆったりめで緊張感がみなぎる演奏だと思いました。私の感覚ではフルトヴェングラーはかなり大胆な演奏をする指揮者だと思っていましたが、これほどまで細やかで繊細なブルックナーの第9番は聴いたことがありませんでした。朝比奈隆さんやヴェンツァーゴ、インバルのブルックナーの第9と本格的に聴き比べたくなりました。確か、フルトヴェングラーが20歳の時のブルッックナーの第9も素晴らしいと思っていたところで、親友からフルトヴェングラー生誕80周年記念盤が出てプレゼントしたいと連絡を受け、驚きました。第二楽章の地鳴りのような響きの中に真珠の様な輝きがある序奏部を聴いたとき深い感動をおぼえました。燻銀のようなオーケストラの響きにはギリシア彫刻を彫っていく芸術的所作を垣間見ることができました。時代の重みは弦楽器の歯切れの良さと響きの重みの中に表現されていました。ブルックナーが目指したであろう宗教的美学をフルトヴェングラーは自身の生き様と照らし合わせながら指揮とオーケストラレーションで表現しているなと感じました。私はハース版のブルックナー第9番のCDをつい最近手に入れたのでその違いにもまた研究していこうと思いましたね。長くなりましたがフルトヴェングラーの演奏するブルックナーの魅力を伝えたいと思い書き込みました。もしよろしければフルトヴェングラーの演奏するブルックナーの「ここが魅力!」ということを是非コメントで教えていただけないでしょうか?お待ちしております。