マーラーの交響曲第3番

マーラー交響曲を聴いていると詩がおもいつく。それほど豊穣豊かな曲なのである。特に第3番交響曲金管楽器の序盤の使い方が良い。そして静けさがある。クラリネットの静けさを称えた歌が聞こえてくる。金管楽器の厳しい響きは作品全体のアクセントとなっている。これらのことは序曲にいえることだ。マーラーは自然を描いている。静けさを耐えることができないとこの曲は聴くことができないかもしれない。風の音色、雲の動きなどが巧みに描写されている。全体にまとまりがあり、なかなかひきしまっている交響曲だと思う。普段はぼくの場合、交響曲第1番、交響曲第9番ばかりを聴いてマーラーの奏でている指揮者の良し悪しを判断してしまうが、交響曲第3番を聴いてみるとその豊かさに驚いてしまう。自然の豊かさがそのまま鏡として音楽に表されている。